笹竹ささだけ)” の例文
壇の四方には、笹竹ささだけを建て、清縄せいじょうをめぐらして金紙きんし銀箋ぎんせんはなをつらね、土製の白馬をいけにえにして天を祭り、烏牛をほふったことにして、地神をまつった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには笹竹ささだけや芹などの雑草が生え、塵芥にまみれて捨てられてる、我楽多がらくたの瀬戸物などの破片の上に、晩春の日だまりが力なく漂っているのである。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
門飾の笹竹ささだけが、がさがさとくたびれた神経に刺さるような音を立て、風のむきで時々耳に立つ遠くの町の群衆の跫音あしおとが、うしおでも寄せて来るように思いされた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)