竪坑たてこう)” の例文
百五十人は少なくとも坑の中にはいっていた。そのうちいくにん竪坑たてこうに上がったろうか。わたしたちのようににげ場を見つけたろうか。
宮浦からは皆竪坑たてこうで、宮浦坑が深さ百七十六尺、七浦坑が二百三十七尺、勝立宮原かつたてみやはらと経過してこの万田坑へ来ると八百九十六尺
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
親爺は六番坑で竪坑たてこうから落ちて来た坑木に脚をやられた。そして、三本脚の松ツァンと呼ばれる不具者になってしまった。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
坑道の竪坑たてこうや斜坑は、驚くほど狭かった。孫軍曹は一度来たことのある徐上等兵を先に立て、腰をまげて歩いた。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
下で何か声高こわだかにしゃべっているのが、ガン、ガ——ンと反響していた。——地下何百尺という地獄のような竪坑たてこうを初めて下りて行くような無気味さを感じた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
が、三人が、この鉱区の中央をつらぬく竪坑たてこうのところへ、横合から出たときには、思わずあっとさけんだ。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
炭坑のあなは二つに区別されている。竪坑たてこう斜坑はすこう
狂馬 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
竪坑たてこうの風は
極楽とんぼ (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
かれはだれよりもよく鉱坑こうこうのすみずみを知っていた。水はもうわたしのこしまでついていた。「先生」はわたしたちをいちばん近い竪坑たてこうれて行った。
さっき見ましたが、竪坑たてこうの天井が落ちていますね。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この仕事は困難こんなんであった。なにしろわたしたちがかくれた竪坑たてこうはひどい傾斜けいしゃになっていて、むやみとすべった。しかも足をふみはずせば下は一面の水で、もうおしまいであった。