立腹りっぷく)” の例文
すくなくとも氏を二三日立腹りっぷくさせて置くに充分だったろうと思い、妙な場所柄ではあるが、ここにつつしんで、お詫び申上げておく次第である。
人造物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)
痴川は伊豆を思い出す度に立腹りっぷくしたが、或る日急に思い立って伊豆を訪ねた。伊豆に会って、次のように言うつもりであった。
小さな部屋 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
貴方あなたなに間違まちがっておいでなのでしょう、ひどわたしおこっていなさるようだが、まあ落着おちついて、しずかに、そうしてなに立腹りっぷくしていなさるのか、有仰おっしゃったらいいでしょう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
このぶしつけな質問に、明智は、さして立腹りっぷくするようすもなく、さもおかしそうに笑いだしながら
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「いえ、こらしめてやらなければ。」と、おばあさんは、いつまでも立腹りっぷくしていました。
やんま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ヘヘヘ……、そうご立腹りっぷくになっては、お話もできません。じゃあ、ひとつこれを読んでいただきましょうかね。これをごらんになれば、何もかもわかるのですよ。」
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わたくしけっしてきみたいして立腹りっぷくいたさんので、病気びょうきなれば拠無よんどころないのです、おさっもうすですよ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おばあさんは、これをると、おどろいて、たいそう立腹りっぷくしました。
やんま (新字新仮名) / 小川未明(著)