トップ
>
突嗟
>
とつさ
ふりがな文庫
“
突嗟
(
とつさ
)” の例文
すると父は
突嗟
(
とつさ
)
に振向きしなに人力車夫の
項
(
うなじ
)
のところをつかまへて、ぐいぐい横の方に引いたから人力車がくつがへりさうになつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
而して余が
突嗟
(
とつさ
)
之を承諾したる当夜の
志
(
こゝろざし
)
ならんや、
只
(
た
)
だ「刑余の徒」たるの一事のみ、
兄
(
けい
)
と余と運命を
同
(
おなじ
)
ふする所也
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
突嗟
(
とつさ
)
に房一はその囁くやうな調子や眼つきから、練吉が何のことを云つてゐるのかを了解した。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
直造は、然し、
突嗟
(
とつさ
)
のうちに考へをまとめることができなかつた。彼はあの慇懃な荘重さをとりもどしてゐた。が、何となく
悄
(
しを
)
れた所のある物腰で、房一の挨拶を受けたのだつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
如何
(
どう
)
した
突嗟
(
とつさ
)
の心の変化か、考へて見ても解らないの、矢ツ張り私の心が、
怨
(
うらみ
)
と
怒
(
いかり
)
に満たされて居たので、其れで
彼
(
あゝ
)
した卑怯な
挙動
(
ふるまひ
)
に出たのですねエ——今朝からネ、一人で聖書を読んだり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
それから、徳次をこの場から去らせても後で鬼倉の配下の者に狙はれるかもしれぬ、といふことを
突嗟
(
とつさ
)
に考へた。彼は腹をきめた。そして、相手の顔に目をつけながらゆつくりと答へた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
嗟
漢検1級
部首:⼝
13画
“突”で始まる語句
突
突然
突立
突込
突出
突飛
突如
突兀
突伏
突張