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穢土
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ゑど
ふりがな文庫
“
穢土
(
ゑど
)” の例文
就いては今日より心を改め、天主のおん教へを守らせ候へ。もし又さもなく候はば、みなみな生害の
伴
(
とも
)
を仕り、われらと共に
穢土
(
ゑど
)
を去り候へ。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は天災地變に
苛
(
さいな
)
まれる人生の焦熱地獄に堪へられなくなつて、この假現の
濁世
(
ぢよくせ
)
穢土
(
ゑど
)
から
遁
(
のが
)
れようとしたのです。そして
解脱
(
げだつ
)
しようとしたのです。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
さるに數奇失意の人は造化を怨み、自然を憤りて、此世を
穢土
(
ゑど
)
と
罵
(
のゝし
)
り、苦界と
誚
(
そし
)
るなり。さて亦得意の人はこれに反して造化を情深き慈母のやうにおもひて、此世を樂園とおもへり。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
あはれ
無垢
(
むく
)
なる少女の生活を
穢土
(
ゑど
)
にくらし過ごすことの何とも心往かず、田舍より出でし初め、藤色絞りの半襟を袷にかけ着て歩るきしを、田舍もの田舍ものと笑はれしを口惜しがりて
一葉女史の「たけくらべ」を読みて
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
況
(
いは
)
んや沈痛凄惻人生を
穢土
(
ゑど
)
なりとのみ観ずる厭世家の境界に於てをや。
曷
(
いづく
)
んぞ恋愛なる牙城に
拠
(
よ
)
る事の多からざるを得んや、曷んぞ恋愛なる者を其実物よりも重大して見る事なきを得んや。
厭世詩家と女性
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
可惜
(
あたら
)
舟を出して彼岸に到り得ず、憂くも道に迷ひて
穢土
(
ゑど
)
に復還るに至る。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
きたない小蟲が
燒地
(
やけち
)
の
穢土
(
ゑど
)
にむらがつてゐる。
青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
貪
(
むさぼ
)
るものにこの
穢土
(
ゑど
)
は
騎士と姫
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
きたない小蟲が
燒地
(
やけち
)
の
穢土
(
ゑど
)
にむらがつてゐる。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
“穢土”の意味
《名詞》
(仏教)煩悩の多い世。凡夫の住むこの世。現世。娑婆。
(中世、僧侶間の隠語)糞、大便の異称。
(出典:Wiktionary)
穢
漢検1級
部首:⽲
18画
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“穢土”で始まる語句
穢土俗界
穢土厭離