カン)” の例文
家の神の代表となつてゐるのは、火のカンである。此亦、三個の石を以て象徴せられて、一列か鼎足形かに据ゑられてゐる。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
方言では多く、其神を「にれいカンがなし」と稱して居る。到る處の村々の祭りに海上から來る神である。
建築物の中には、三体の火のカンが置かれてあると同様に、神の在す場所には、必香炉が置いてある。それ故、その香炉の数によつて、家族の集合して居る数が知れる。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
のろ殿内に祀るのは、表面は、火のカンであるが、此は単に、ヤカつ神としてに過ぎない事は既に述べた。のろ自身は、由来記などに記した程、火の神を大切にはしてゐない。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
兄公殿アニキドノは氏上に、身は氏助ウヂノスケと言ふ訣なのぢやが、肝腎齋き姫で、枚岡に居させられる叔母御は、もうよい年ぢや。去年春日祭りに、女使ひで上られた姿を見て、カンさびたものよ、と思うたぞ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
兄公殿アニキドノは氏上に、身は氏助ウヂノスケと言ふ訣なのぢやが、肝腎齋き姫で、枚岡に居させられる叔母御は、もうよい年ぢや。去年春日祭りに、女使ひで上られた姿を見て、カンさびたものよ、と思うたぞ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
兄公殿アニキドノは氏上に、身は氏助ウヂノスケと言ふ訣なのぢやが、肝腎斎き姫で、枚岡に居させられる叔母御ヲバゴは、もうよい年ぢや。去年春日祭りに、女使ひで上られた姿を見て、カンさびたものよ、と思うたぞ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)