硝子瓶ガラスびん)” の例文
ある日其処そこを通りかゝると、頭を島田しまたに結つた十七八の女が、壺から水をむでうちから持つて来たらしい硝子瓶ガラスびんに入れてゐるのがある。
すると二階の障子しょうじがすうといて、青い色の硝子瓶ガラスびんげた須永すながの姿が不意に縁側えんがわへ現われたので敬太郎けいたろうはちょっと吃驚びっくりした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『多分キップの装置だろうね。亜鉛あえん硝子瓶ガラスびんに入れて置いて、その上に稀硫酸きりゅうさんを入れるのさ。うまいこと水素瓦斯が出てきてはやみ、やんではまた出てくるんだよ』
街の探偵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いねは自分の健康を取戻してくれるためにこの世へ生れてきでもしたような琴代のために泣きながら乳をしぼり、小さい硝子瓶ガラスびんの口までいっぱいにみたして、琴代の小さい棺の中へ入れてやった。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)