石弩いしゆみ)” の例文
石弩いしゆみ、針縄、逆茂木さかもぎなどで守られた柵門さくもんを三つも通って、一群の百姓と縄付きの大坊主が、大勢の賊に前後をかこまれて登って来た。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
篠懸すゞかけの木よ、總大將が乘る親船おやぶね帆檣ほばしら、遠い國の戀に向ふはらんだ帆——男の篠懸すゞかけ種子たねを風に石弩いしゆみの如く、よろひを通し腹を刺す——女の篠懸すゞかけ始終しじゆう東をばかり氣にしてゐて定業ぢやうごふ瞑想めいさうする
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)