矢唸やうな)” の例文
ひとみをこらしてみつめていると、ときおり、おもてをなでてくる微風びふうにまじってかすかな叫喚きょうかん……矢唸やうなり……呼子笛よびこぶえ……激闘げきとう剣声けんせい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、いうが如き豪壮ごうそう矢唸やうなりがあった。しかも阿能局の運んで来た矢数も忽ち射尽してしまったほど、矢つぎ早であった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銃手がたまごめに時を移している間には、弓隊が矢風矢唸やうなりをたてて、これまた凄まじいやじりの数を射て来るのだった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
表御堂の広縁や客殿の高欄こうらんのあたりからは、それへ向って、叫ぶ風そのままな矢唸やうなりが吹いて来る。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、矢唸やうなりの流れる中に立って、眠りがものように、顔へしころをかざしていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢唸やうなりが近くをかすめた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)