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ちやくせん
取行ひ四日には兵庫の
港なり共大阪の
川尻なり共思し召に
任せ
着船すべしと云ふ吉兵衞
熟々考ふるに今大阪へ
上りても兵庫へ
着ても
船頭が熊本へ歸り
斯樣々々と
咄さば加納屋利兵衞方より
追手を
當と指て行べき方も無れど先京大坂は
繁華の地なれば
若やお花樣御夫婦の
彼處に止まり給はんも※り難し彼是と思はんよりは
先大坂へ
登り夫より京都と
段々尋ねんと
吉備津浦より
便船せしに日々
追手風打續き十日目にて大坂川口へ
着船しければ夫より大坂に足を