着座ちゃくざ)” の例文
「いやそうではあるまい」と外記がするどく云った、「船岡は着座ちゃくざの家柄であり、一ノ関のあと押しで、近く国老に任ぜられるそうではないか」
四五年前の与謝野よさの家の歌会うたかいの時、その座のクインであった晶子あきこ夫人が、着座ちゃくざしばらくにして、上躯じょうたいを左方に退ひざを曲げてその下から一脚ひとあしを曲げて右方へ出されました。
女性の不平とよろこび (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
読みおわるなり石見守は、いま、着座ちゃくざしたばかりのこしをうかしかけて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「直接には知りません、原田さんは着座ちゃくざといって、家老になる家柄ですし、私の家とは身分がちがいますから」
主賓は伊達安芸だてあき、つぎに現職の家老、奥山大学、大条兵庫、古内主膳。また「一家いっか」の格式である片倉小十郎。ほかに原田甲斐、富塚内蔵允くらのすけ、遠藤又七郎、この三人は「着座ちゃくざ」といって宿老しゅくろうであった。
第三、着座ちゃくざ(国老となる家柄)