真一文字まいちもんじ)” の例文
旧字:眞一文字
まッ先におどりこんできたのは、高尾の神馬しんめ月毛つきげくらにまたがった加賀見忍剣かがみにんけん、例の禅杖ぜんじょうをふりかぶって真一文字まいちもんじ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たつこく頃より馬場へ出御しゅつぎょ、大場重玄をまん中に立たせ、清八、鷹をと御意ありしかば、清八はここぞと富士司を放つに、鷹はたちまち真一文字まいちもんじに重玄の天額をかいつかみぬ。
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そして大宇宙の中を真一文字まいちもんじに、本隊を追って猛進また猛進を続けつつあった。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
うたづる時、一隊の近衛騎兵このえきへい南頭みなみがしらに馬をはやめて、真一文字まいちもんじに行手を横断するに会ひければ、彼は鉄鞭てつべんてて、舞立つ砂煙すなけむりの中にさきがけの花をよそほへる健児の参差しんさとして推行おしゆ後影うしろかげをば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
言下に本堂の正面の扉を真一文字まいちもんじに開かせたと言ふことです。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)