眞砂まさご)” の例文
新字:真砂
「あれから一と月も經つが、一向眼鼻がつかないやうだな。下手人も眞砂まさご町の喜三郎も、今頃は欠伸あくびでもしてゐるだらうよ」
むすめでございますか? むすめ眞砂まさごとしは十九さいでございます。これはをとこにもおとらぬくらゐ勝氣かちきをんなでございますが、まだ一武弘たけひろほかには、をとこつたことはございません。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はま眞砂まさご乾上ひあがときは、たのしさうにも雲雀ひばりのやうに
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
秦皮とねりこの、眞砂まさご、いさごの、森の小路よ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
本郷一丁目は眞砂まさご町の喜三郎の繩張りですが、若くて力押しの喜三郎に任せて置くにしては、事件があまりにも重大らしい豫感があつたのです。
窓の敷居は疊から一尺二寸、その邊が一面の血で、格子から障子まで染め、刺した刄物は、さやごと部屋の中に投り出してあつたと、眞砂まさご町の喜三郎が説明してくれます。
「權次は眞砂まさごつ原に居ますよ、近所の人が見て來たさうで」