眞摯しんし)” の例文
新字:真摯
彼には眞摯しんしなクリスチァンや、實行的な博愛家の當然の報酬であるべき心の朗らかさや、内心の滿足を樂しむといふ風が見えなかつた。
ふかく、強く、眞摯しんしにものを愛することが出來るといふのは、なんといふまあ仕合しあはせなことでせう! それだのにあなた方は
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
自分の最も眞摯しんしな涙の自覺に觸れて、女をその浮薄膚淺な空氣から救ひ出してやりたくなり、また一方には、その否定が涙もつまる極端な痛罵冷笑の變態となつて、「べら/\」
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
一體私は有島氏のその作品ならび作者さくしやの心の世界せかいに對して共鳴きようめいち、その眞摯しんし作風さくふうに對してあたまを下げてゐる者ですが、時に人が、有島氏は僞善者ぎぜんしやではないか、非常にその創作的態度さうさくてきたいどに於て
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)