眞實まつたく)” の例文
新字:真実
郵便局長いうびんきよくちやうのミハイル、アウエリヤヌヰチは、かれところて、かれはなしいてはゐるが、さきのやうにれは眞實まつたくですとはもうはぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
爺さんの喜び樣は眞實まつたく見てゐるのがいぢらしい位ゐで、私のさす一杯一杯を拜む樣にして飮んでゐる。
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
「人の子枕す時もなし、ああみ怒り……審判の日……。」「人の子枕す……」うだ、實際だ。人の子は枕する時もない。人の子は枕する時もない。世界十幾億の人間、男も、女も眞實まつたくだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
アンドレイ、エヒミチは依然やはり相手あひてかほずに、知識ちしきあるもの話計はなしばかりをつゞける、ミハイル、アウエリヤヌヰチは注意ちゆういしていてゐながら『れは眞實まつたくです。』と、ばかりを繰返くりかへしてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
れは眞實まつたくです。』と、郵便局長いうびんきよくちやうふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)