盗賊ぬすっと)” の例文
旧字:盜賊
わり乞食ほいと盗賊ぬすっとか畜生か。よくもわれが餓鬼どもさ教唆しかけて他人ひとの畑こと踏み荒したな。ちのめしてくれずに。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
眠れないでいた竜之助には、その夜更けて、不夜ふやの念仏をしていた上人のもとへ忍び寄った二人の盗賊ぬすっとと、それに驚かなかった上人の問答をよく聞くことができました。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
色の仲宿や博奕の堂敷が何程の罪だ、世の中にわりい事と云うなア人殺しに間男と盗賊ぬすっと
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何時いつありつけるか知れたものじゃねえ。とると生命いのちの問題だ! へ、人間て云う奴ァ屹度きっと恐らく此様こんな時に盗賊ぬすっと根性を起こすんだろうぜ。何しろ生命の問題だからな。死ぬか生きるかの問題だ。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日本一のお嬢さんを妾なんぞにしやあがって、冥利みょうりを知れやい。べらぼうめ、菱餅ひしもち豆煎まめいりにゃかかっても、上段のお雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をしてめねえぜ、盗賊ぬすっとア、盗賊ア、盗賊ア
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
盗賊ぬすっとめ!」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)