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皺苦茶
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しわくちゃ
ふりがな文庫
“
皺苦茶
(
しわくちゃ
)” の例文
眼玉を
剥
(
む
)
いて、
眼
(
ま
)
ばたきを
怺
(
こら
)
えて見せる。目や鼻や口を、
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
に寄せて見せる。長いベロを伸ばして、鼻の頭まで届かせて見せる——
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
になった破れた
紙片
(
かみきれ
)
をボートルレに渡した。それは血染の襟巻が捨ててあったところに落ちていたものであった。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
後で或る人があの日どうしてあんなに
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
に昂奮していたんだと言ったから、くるまが衝突してそこで血の気をうばわれたのだと正直に答えた。
われはうたえども やぶれかぶれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
いくら景色がよくっても野だなどといっしょじゃつまらない。清は
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
だらけの婆さんだが、どんな所へ連れて出たって
恥
(
は
)
ずかしい心持ちはしない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と取合う気色も見えぬに、茶一杯
饗応
(
もてな
)
されぬ助役は
悄然
(
すごすご
)
として元
来
(
き
)
し道に
取
(
とっ
)
てかえしぬ、正兵衛は後見送りて、
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
の眉根を
顰
(
ひそ
)
め、ああ厄払い厄払い。
厄払い
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
お前はこれからどうあっても、この
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
の
扮装
(
なり
)
のままで、三斎屋敷に駆け込まなけりゃあ駄目なのだよ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
な紙でも、のばして使った。
舶載
(
はくさい
)
の
唐紙
(
とうし
)
一枚にめぐり会う時は、それへ筆を落すことを、恋人と
契
(
ちぎ
)
るように昂奮して、彼等は、詩を書いている、
画
(
え
)
を描いている。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
失敬な、——甘木さんへ行って聞いて見ろ——元来御前がこんな
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
な
黒木綿
(
くろもめん
)
の羽織や、つぎだらけの着物を着せておくから、あんな女に馬鹿にされるんだ。あしたから迷亭の着ているような奴を
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「袴は
木綿
(
もめん
)
じゃないが、その代りもっと
皺苦茶
(
しわくちゃ
)
だ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
皺
漢検1級
部首:⽪
15画
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
“皺苦茶”で始まる語句
皺苦茶婆