白雪はくせつ)” の例文
盛夏せいかでも、白雪はくせつをいただくけんみねは、あお山々やまやまあいだから、夕日ゆうひをうしろに、のぞいていました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
御年十六歳、さすが歴々の事なれば、容顔かんばせうるはしく、はだへ白雪はくせつに似たり、きよさ、余人に優れ、家の名を惜み、父の最期まで心に懸け、比類なきの働き、感ぜぬはなかりけり
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白雪はくせつ竜馬りゅうめにめされ、なぎさを掛けて浦づたい、朝夕の、あかね、紫、雲の上を山の峰へおしのびにてお出ましの節、珍しくお手にりましたを、御姉君おんあねぎみ乙姫おとひめ様へ御進物の分でござりました。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
冬の光景 それからまた数里を隔てたる西の山々は皆白雪はくせついただいて居りますが
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
白雪はくせつ融けて量増せる二條の流れ山降り
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
折も折、亡君の命日、しかも大江戸はこの白雪はくせつ万丈ばんじょう
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)