疾病しつぺい)” の例文
愛に於ける一切の、葛藤かつとう紛紜ふんうん、失望、自殺、疾病しつぺい等あらゆる恐るべき熟字は皆婚姻のあるに因りて生ずる処の結果ならずや。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
エヂプトの世界最古の記録にも石を疾病しつぺいの治療に用ひたことが書かれ、欧洲では動物の体内から出た腸石、胆石等は憂鬱病メランコリアを予防すると言はれ
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
僕は同人の重だつた人々に赤彦君の疾病しつぺいの経過の大体を話し、一月廿一日にばんさんから胃癌の宣告を受けたこと。二月二日に胃腸病院の神保孝太郎じんぼかうたらう博士の診察を受けたこと。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
一、夫婦の一方が、疾病しつぺいかゝりたるときは、隣人として看護の労をとること、たゞし、体温三十八度以下の風邪、又は単に頭痛腰痛み等にありては、必要に応じ、薬を調達するのみをもつて足れりとす
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
疾病しつぺいは生物の無き能はざるところのものである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
羅馬人ローマじん啄木鳥きつつきの肉を食することを禁じた。エツヂストーン島では殆どすべての疾病しつぺいは、禁ぜられた樹木の実を食べた為に起つたのだと考へられて居る。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)