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生濕
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なまじめ
ふりがな文庫
“
生濕
(
なまじめ
)” の例文
新字:
生湿
そしてお玉の死骸の側に
膝行
(
ゐざり
)
寄ると、そのこめかみのあたりへ左手を掛け、右手の
生濕
(
なまじめ
)
りの小菊を、死體の耳の穴へ、そつと差込むのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
持つてゐて、それに
生濕
(
なまじめ
)
りの土が附いてゐたから、金杉の竹松親分に縛られたのも無理はない。あの人は道樂がひどいから、五兩と
纒
(
まと
)
まつた金を
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
念の爲にツイ傍の上便所の扉をあけると、二本燈心の薄明りで、——
草履
(
ざうり
)
が一足。手に取り上げて裏返すと、
生濕
(
なまじめ
)
りの
苔臭
(
こけくさ
)
い土が一面に附いてゐるではありませんか。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だがな八、
敷居
(
しきゐ
)
の穴を詰めた土は少し
生濕
(
なまじめ
)
りだし、雨戸の
隙間
(
すきま
)
は、外からだつて拵へられるぜ」
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう言つて太吉が手拭に包んで居たのをほどいて、平次の前へ、
生濕
(
なまじめ
)
りの赤い首環を出しました。
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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新助は
萎
(
しを
)
れ切つて、何時の間にやら、
生濕
(
なまじめ
)
りの土の上へ坐つて居りました。言ひ交したお駒を殺した激動に打ちのめされて、松五郎の憤怒などは、素より眼中にありません。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人は外科へ、一人は町役人へ、一人は土藏の扉を開けて若旦那の染五郎を出す爲、左陣は
生濕
(
なまじめ
)
りの路地に足跡をつけるのを嫌つて、大廻りに店口の方から入つて來ました。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
押入から布團を引出すと、中から、ポロポロと
生濕
(
なまじめ
)
りの土がこぼれ落ちるではありませんか。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
水船から這ひ上がつて、半身ぐしよ濡れのまゝ縛られたのでせう、腰から下は
生濕
(
なまじめ
)
りのまゝ、折目も
縫目
(
ぬひめ
)
も崩れて、
筵
(
むしろ
)
の上にしよんぼり坐つたお蔦は、妙に平次の感傷をそゝります。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
たつた一つの
手燭
(
てしよく
)
で、平次は實によく調べて行きます。
生濕
(
なまじめ
)
りの庭には
誂
(
あつら
)
へたやうに足跡があつて、それがかなり大きいことや、突當りの木戸は外から簡單に
輪鍵
(
わかぎ
)
の外せることを見極め
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
左手には金次郎が居たといふ土藏へ通ずる
生濕
(
なまじめ
)
りの道があります。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜妹を
誘
(
おび
)
き出した曲者は、長崎屋の庭で妹を殺害し塀越しに死骸を投げ込んだのだ。六尺の土塀の上に附いた血や、植込の
躑躅
(
つゝじ
)
の枝が折れて、
生濕
(
なまじめ
)
りの土に深く型の附いたのなどは、その證據だ」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
源吉は
生濕
(
なまじめ
)
りの手拭をお吉の眼の前にヒラヒラさせました。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
濕
部首:⽔
17画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死