生害しょうがい)” の例文
「二日二た晩に及ぶ折檻の後、奥様には、よくよく思い定めたものと相見え、昨夜、——深更、見事に生害しょうがいしてお果てなされた」
感佩かんぱいいたしましてござりまする! ……ご子息の貴所様におかれましても、敵の将卒多く討ちとり、ここにてご生害しょうがいと見申した。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
阿駒は苦しき息の下より、「いやとよ。猫にも追はれず、鼬にも襲はれず、わらわ自らかく成りはべり」「さは何故の生害しょうがいぞ」「仔細ぞあらん聞かまほし」ト、また連忙いそがわしくといかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
六郎殿に御世みよを取られては三好に権を張り威を立てらるるばかりである、是非ないことであるから、政元公に生害しょうがいをすすめ、丹波の源九郎殿を以て管領家を相続させ、我〻が天下の権を取ろう
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
信康はむざんにも信長の嫌疑けんぎのために生害しょうがいした。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
二挺剃刀かみそりで後ろからのどを切られ、血汐の海の中に突っ伏し、お仙はその上に崩折れて、これも見事に生害しょうがいしていたのでした。
「いいえ離しませぬ離しませぬ! この手を離したらそれっきり、あなたは生害しょうがいなさ……」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
素破すわご主君ご生害しょうがいぞ! 死ねや死ねや我らも死ねや! ご主君のお供仕れ!」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それを聴いて、棟梁の藤兵衛は今朝生害しょうがいして相果て、御上屋敷においても、奥方様始め下々まで、安き心はない。折柄主君は御在国中、この上の思案も尽きて、平次殿の智恵を拝借に参ったのじゃ」