きゅう)” の例文
そのあとはきゅうだけとなる。この球がロケットとして、六個の穴からガスをふきだして、空気のない空間を、どんどん速度をあげて進んでいくのだ。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それからこれはまっ羽二重はぶたえのコップでしょう。この花びらは半ぶんすきとおっているので大へん有名ゆうめいです。ですからこいつのきゅうはずいぶんみんなでしがります。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
富といきおいと得意と満足の跋扈ばっこする所は東西きゅうきわめて高柳君には敵地である。高柳君はアーチの下に立つ新しき夫婦を十歩の遠きに見て、これがわが友であるとはたしかに思わなかった。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、ガラス箱の真上十メートルばかりの天井の下の空中にぶらさがっている二つの大きな火花間隙ひばなかんげききゅうと、それぞれ針金によって、つながれてあった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
地球は、地球で見る満月の十倍以上も大きい明るいきゅうに見えたが、満月と同じ形ではなく、かたわれ月ぐらいのところだった。つまり一部分が、月のために影になっているのだ。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
みるみるきゅうのようにふくれあがり、そしてそれが両がわの曲面盤のとがった針にふれたかと見えたとき、とつぜんぴかりと一大閃光いちだいせんこうが出て、この大広間を太陽のそばに追いやったほどの明かるさ
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
銀色にかがやいたすばらしいきゅうが、宙に浮いているのを発見した。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)