珈琲コオフィイ)” の例文
プラットフォオムには給仕がパンや珈琲コオフィイを持って駈けまわっている。旅客の中には、ここで下車するものもある。人の呼び交す声がかまびすしい。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
翌朝よくちょう。画家は楽気らくげ凭掛よりかかり椅子いすに掛り、たばこみ、珈琲コオフィイを飲み、スケッチの手帳を繰拡くりひろげ、見ている。戸をたたおとす。
料理は小鳥のあぶりものに萵苣ちさのサラダが出ていた。それを食ってしまって、ヴェランダへ出て珈琲コオフィイを飲んだ。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ラインゴルドで午食をして、ヨスチイで珈琲コオフィイを飲んで、なんにするという思案もなく、赤い薔薇ばらのブケエを買って、その外にも鹿の角を二組、コブレンツの名所絵のある画葉書を百枚買った。
(新字新仮名) / オシップ・ディモフ(著)
中央の大きな卓子にはホテルの主人夫婦が珈琲コオフィイを飲んでいた。
旅の絵 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「そんならまだこの中に珈琲コオフィイがありましたようですから、どうぞ。」女は無理に勧めて、珈琲の残ったのを茶碗ちゃわんいで、学士に出した。そして何か女中に言い付けに次のへ出た。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)