王覇おうは)” の例文
「皇室の衰微もはなはだしい。王覇おうはの差別もなくなってしまった。どうともして本道へ返さなければならない」徳大寺卿は微吟びぎんをした。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし以前と事ちがい、唯今では、君側の人に、諸葛しょかつ先生が居られます。かならずあなたの抱く王覇おうはの大業をたすけ、やがて今を昔に語る日があることを信じております。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしそれ彼らと時を同じうしたる、革命風雲児のさきがけたる藤田東湖に至りては、また大いにことなるものなくんばあらず。王覇おうはの別、華夷かいの弁に至りては、藤田は一種の水戸的執迷を脱するあたわざりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
王覇おうはの争いがたえず、興る者がみずから帝王を称えて、民心の帰一するところがないために、その歴史は乱脈で複雑で、従って、国情というものが、大きに異っている。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……先年竹内式部たけのうちしきぶと申す処士が、王覇おうはの説を唱えまして、禁裡きんり様方の威福いふくを計りましたところ、さっそく幕府方におかれましては、竹内様をはじめとして、徳大寺大納言様やその他の公卿衆に
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
寒うしています。どうか匹夫ひっぷの勇は抑えて、王覇おうはの大計にお心を用いて下さい
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
擁して、あに王覇おうはの大業が成ろうか
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)