玉盞ぎょくさん)” の例文
(手首を取って刃をかいなに引く、一線の紅血こうけつ玉盞ぎょくさんに滴る。公子返す切尖きっさきに自から腕を引く、紫の血、玉盞に滴る。)飲め、呑もう。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
公子 (玉盞ぎょくさんを含みつつ悠然として)故郷はどうでした。……どうした、私が云ったとおりだろう。貴女の父のわかめかけは、貴女のその恐しい蛇の姿を見て気絶した。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初の烏 (思い着きたるていにて、一ツの瓶の酒を玉盞ぎょくさんぎ、しょくかざす。)おお、綺麗きれいだ。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初の烏 (思ひ着きたるていにて、ひとツの瓶の酒を玉盞ぎょくさんぎ、しょくかざす。)おゝ、綺麗きれいだ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)