状況ありさま)” の例文
かの逆巻さかまく波に分け入りし宮が、息絶えて浮び出でたりし其処そこの景色に、似たりともはなはだ似たる岸の布置たたずまひしげり状況ありさま乃至ないしたたふる水のあやも、透徹すきとほる底の岩面いはづらも、広さの程も、位置も、おもむき
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
往年さきのとし鬼怒川きぬがわ水電水源地工事の折、世に喧伝けんでんされた状況ありさまを幾層倍にして、今は大正の聖代に、ここ北海道は北見きたみの一角×××川の上流に水力電気の土木工事場とは表向おもてむき、監獄部屋の通称とおりなが数倍判りいい
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)