物騒ぶつさう)” の例文
旧字:物騷
友だち だが、物騒ぶつさうな話ぢやないか。さうなると、女房や娘はうつかり外へも出されない訳だからね。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其上そのうへ近年は世の中の物騒ぶつさうなのにれて和上の事を色々いろ/\に言ふ者がある。最も在所の人の心を寒からしめた馬鹿々しい噂は、和上は勤王々々と云つて諸国の浪士に交際つきあつてる。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
みなさんはお通夜つやのおかたか、おや/\物騒ぶつさうだな、通夜つやばうさんがさけ酔倒ゑひたふれてる、炮砥はうろく線香せんかうをどつさりして、一本花ぽんばな枕団子まくらだんご旧弊きうへいだね、これから思ふと地獄ぢごくはう余程よつぽどひらけた。とふお話で。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)