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物哀
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ものがな
ふりがな文庫
“
物哀
(
ものがな
)” の例文
それは耳をそばだてて胡弓の声にきき入り、そののんびりしたような、また
物哀
(
ものがな
)
しいような
音色
(
ねいろ
)
を味わっていた。木之助は一心にひいていた。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
最後に昨夜の
月明
(
げつめい
)
に
何処
(
どこ
)
からとも無く響くギタルの
音
(
ね
)
を聞いて寝たのが何だか
物哀
(
ものがな
)
しかつたことを附記して置く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
物哀
(
ものがな
)
しいあの空の色、寒い風に吹かれながら上野の公園側を歩いて来た時は心細かったと書いてよこした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
銀子はふと二日ほど前に新婚旅行先の
飯坂
(
いいざか
)
温泉から来た、倉持の絵葉書が
想
(
おも
)
い出され、胸先の痛くなるのを感じたが、あの
物哀
(
ものがな
)
しい狭い土地から足をぬいたことは、何といっても気持がよかった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
重苦しい沈黙が
物哀
(
ものがな
)
しい空気を
孕
(
はら
)
んで、二人の間へ割り込んできた。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
▼ もっと見る
まだ赤ん坊だつた時分、お母さんのぬくとい
懐中
(
ふところ
)
に抱かれて、うとうとしながら聞いた、あの甘い
物哀
(
ものがな
)
しい子守歌に、ふと行きあつたやうな気がした。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
哀
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思