ちゃ)” の例文
「遠慮をしない方がいいぜ、うちちゃンはあんまり好くないけれど、おっ母あは、旅の人にも親切なんだぜ、もう一杯おあがんなさい」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれはあの時、ほかのだれもが休んでいるのにおれだけは、ちゃんと二人ふたりで田の草をとりに出かけたっけ。休まねばならぬ時に、おれは、煮えたぎる田の水の中で草とりをしたっけ。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「おいらだッて、あの仮面めんを探さなければ、お嬢様のそばへ帰れない。……それに、ちゃんの身も心配でならないんだ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも、なんだかおらあ、胸騒ぎがしてならねえ。ちゃンも今に戸板に乗せられて来るんじゃないか」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちゃンが帰った。父ンが——」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)