燻銀いぶしぎん)” の例文
板塀が高くかかってい、その上に植込みの槇や朴が、葉を茂らせてかかってい、その葉がこれも月の光に燻銀いぶしぎんのように薄光っていた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その霧はまた東に流れて蘇堤そていをぼかしていた。眼の下の孤山こざん燻銀いぶしぎんのくすんだ線を見せていた。どうも雨らしいぞ、と思う間もなく、もう小さな雨粒がぽつぽつと落ちて来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
藍鼠あいねずみ燻銀いぶしぎんとの曇天、丘と桑畑、台が高いので、川の所在は右手にそれぞと思うばかりで、対岸の峰々や、北国風ほっこくふうの人家を透かし透かし、どこまでもと自動車は躍ってゆく。土のがする。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
その間に竜雄は、無雑作むぞうさに、火をつけて、ぷかぷかとむさぼり吸った。煙は薄蒼白く、燻銀いぶしぎんの空から流れる光線の反射具合で、或いは赤紫に、ゆるやかにもつれて灌木の叢の中に吸い込まれて行った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
燻銀いぶしぎんなる窓枠の中になごやかに
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
東南の湖縁の雷峯塔のあるあたりには霧がかかって、その霧の中に塔が浮んだようになっていた。その霧はまだ東に流れて蘇堤そていをぼかしていた。眼の下の孤山は燻銀いぶしぎんのくすんだ線を見せていた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
わしがこころの燻銀いぶしぎん
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
曇つた燻銀いぶしぎんの中から
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
曇つた燻銀いぶしぎんの中から
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
朝の水面みのも燻銀いぶしぎん
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)