“いぶしぎん”の漢字の書き方と例文
語句割合
燻銀100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その間に竜雄は、無雑作むぞうさに、火をつけて、ぷかぷかとむさぼり吸った。煙は薄蒼白く、燻銀いぶしぎんの空から流れる光線の反射具合で、或いは赤紫に、ゆるやかにもつれて灌木の叢の中に吸い込まれて行った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
燻銀いぶしぎんなる窓枠の中になごやかに
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
東南の湖縁の雷峯塔のあるあたりには霧がかかって、その霧の中に塔が浮んだようになっていた。その霧はまだ東に流れて蘇堤そていをぼかしていた。眼の下の孤山は燻銀いぶしぎんのくすんだ線を見せていた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)