熊沢蕃山くまざわばんざん)” の例文
むかしの立派なる教育家貝原益軒かいばらえきけん中江藤樹なかえとうじゅ熊沢蕃山くまざわばんざん等はみなじゅくを開いたことはあるが、今日のごとく何百人の生徒を集めて演説講義したものでない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
つとに聖賢の道に志ざし、常に文武の教に励み、熊沢蕃山くまざわばんざんその他を顧問にして、藩政の改革に努め、淫祠いんしこぼち、学黌がくこうを設け、領内にて遊女稼業まかりならぬ。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
しかりといえども識者の眼識は境遇の外に超逸す。熊沢蕃山くまざわばんざんの如き、その一人なるからんや。彼はびっこ駝鳥だちょうなれども、なお万里の平沙へいさはしらんとする雄気あり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
同じ書は『心学五倫書』という題名のもとに無署名で刊行されていた。初めは熊沢蕃山くまざわばんざんが書いたと噂されていたが、蕃山自身はそれを否定し、古くからあったと言っている。
近頃井上通泰、熊沢蕃山くまざわばんざんの伝を校正上本せしを見るに、蕃山の詞に、敬義を以てする時は髪をくしけずり手を洗ふも善を為すなり。然らざる時は九たび諸侯を合すとも徒為といのみと有之候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
しかしてわが国の熊沢蕃山くまざわばんざんはさらにこれを注訳して次のごとく述べている。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
そのうち、熊沢蕃山くまざわばんざんの書いたものを読んでいると、志を得て天下国家を事とするのも道を行うのであるが、平生顔を洗ったり髪をくしけずったりするのも道を行うのであるという意味の事が書いてあった。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
熊沢蕃山くまざわばんざん曰く
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)