無愛相ぶあいそう)” の例文
俺はそう云いさしてチョックラ船長おやじの顔色をうかがってみたが、何の反応も無い。相も変らず茶色の謎語像スフィンクスみたいにプッスリしている。無愛相ぶあいそうの標本だ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
多分たぶん彼等かれらつてはたのしい一であるべきはずだつたのであらうがおしのやうにだまりこくつた我々われ/\にが表情へうぜう無愛相ぶあいそう態度たいどとが、如何いか彼等かれら失望しつぼうさせたかは、想像そうぞうあまりあるものであつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
此間こないだは折角おで遊ばしましたが、父はあの通り無愛相ぶあいそうものですからお前さんにお気の毒な、まア素気そっけない事を申しましたからさぞお腹が立ちましたろうと、実はかげでお案じ申して居りましたが