灰白色かいはくしょく)” の例文
樹皮の乾燥かんそうしている老幹ろうかんに宿をかりるという、科学的な、又は自然的な関係からばかりでなく、自然の美的情緒を深めるためにも、梅の老樹を灰白色かいはくしょく
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
背はそれほど高くはないが、鳶色とびいろちぢれた毛髪をもち、顔は林檎のように赤く、そして男が着るような灰白色かいはくしょくのバーバリ・コートを着てあごえり深く隠していた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二人は広小路ひろこうじへ出ると、電車通を横切って、むこう側の歩道を駒形の方へ曲って往った。岩本も十間ばかりの距離を置いてそのあとからいて往った。灰白色かいはくしょくもやが女の姿を折おり包んで見えた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
また西北部の曠原こうげんにも大分に居ります。その大きさはほとんどごく大きな馬程ある。その形は全く普通の鹿のようであるが、鹿よりも余程肥えて居るです。その毛色は少しく灰白色かいはくしょくを帯びて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
灰白色かいはくしょくの機翼に大きく描かれた真赤な日の丸の印が、グングン小さく、そして遠くなって行った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
助手がさきほども、駝鳥だちょうのような卵といったが、全くそれくらいもあろう。色は淡黄色たんこうしょくで、ところどころに灰白色かいはくしょく斑点はんてんがあった。それは何の卵であるか、ちょっと判りかねた。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
冷い灰白色かいはくしょくの身体が、夕陽をうけて、きらきらと、まぶしく輝く。