源平げんぺい)” の例文
見識けんしき迂闊うくわつ同根也どうこんなり源平げんぺい桃也もゝなり馬鹿ばかのする事なり。文明ぶんめいぜにのかゝらぬもの、腹のふくるゝものを求めてまざる事と相見あひみ申候まうしそろ。(十四日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
武門の上では、源平げんぺいの頃でも、父と子とが、弓矢のあいだに、敵味方に立った例もないではないが、そこにはそれ以上の苦悶と理由があってのことだ。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはちょっともののけの感じが出ている、『四谷怪談』中の唯一の怪味であろう。『源平げんぺい布引ぬのびきたき
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
ただしその話は申合もうしあわせたように源平げんぺい合戦かっせん義経よしつね弁慶べんけいの行動などの外には出なかった。それからまた常陸坊海尊ひたちぼうかいそんの仙人になったのだという人が、東北の各地には住んでいた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
音にきく源平げんぺい時代のむかし、天狗てんぐ棲家すみかといわれたほどの鞍馬の山路は、まったく話にきいた以上のけわしさ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源平げんぺい建武けんむ応仁おうにんの乱とつづいて、何百年かにわたって作られて来た武器は、合戦のたび、山野にも捨てられたが、その数は、おびただしいものに違いなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)