たにがは)” の例文
旧字:
或は激湍げきたんあわを吹いて盛夏なほ寒しといふ白玉はくぎよくたにがは、或は白簾はくれんにじを掛けて全山皆動くがごとき飛瀑ひばくの響、自分は幾度足を留めて、幾度激賞の声を挙げたか知れぬ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
幅六尺ほどのこの渠は、事実は田へ水を引くための灌漑であつたけれども、遠い山間から来た川上の水を真直ぐに引いたものだけに、その美しさはたにがはと言ひ度いやうな気がする。