深仇しんきゅう)” の例文
かのビスマルクは曰く「愉快なるかな今日において初めてルイ第十四世以来深仇しんきゅうある仏国にしゅうするを得たり」と。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
道衍と建文帝けんぶんていと、深仇しんきゅう宿怨しゅくえんあるにあらず、道衍と、燕王と大恩至交あるにもあらず。実に解すからざるあるなり
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
猿面冠者を敵にして立上るなら北条の亡ぼされぬ前に一日も早く上州野州武州と切って出て北条に勢援すべきだが、仙道諸将とはかねてよりの深仇しんきゅう宿敵であり
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
世事せいじ測る可からずといえども、薙髪ちはつしてきゅうを脱し、堕涙だるいして舟に上るの時、いずくんぞ茅店ぼうてんの茶後に深仇しんきゅう冥土めいどに入るを談ずるの今日あるを思わんや。あゝまた奇なりというべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)