淡彩たんさい)” の例文
その衝立には淡彩たんさいの鶴がたった一羽たたずんでいるだけで、姿見のように細長いその格好かっこうが、普通の寸法と違っている意味で敬太郎の注意をうながした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
明治十二三年頃めいぢじふにさんねんごろ出版しゆつぱんだとおもふ——澤村田之助曙双紙さはむらたのすけあけぼのさうし合卷がふくわんものの、淡彩たんさい口繪くちゑに、黒縮緬くろちりめん羽織はおり撫肩なでがたけて、衣裝いしやうつまつた、座敷ざしきがへりらしい、微醉ほろよひ婀娜あだなのが
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
淡彩たんさいで、かりを描いた老中のたまりの間にいた信祝のぶときは、越前が登城したと聞くと
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)