涼秋りょうしゅう)” の例文
ようやく涼秋りょうしゅうの八月になりかけた頃、半兵衛重治のやまいがどっと重くなって、もう今度は二度と、その病骨に、鎧具足よろいぐそくもまとえまいと思われるような容体におちいったことであった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時は涼秋りょうしゅうげつ、処は北海山中の無人境、篝火かがりびを焚く霜夜の天幕、まくそとには立聴くアイヌ、幕の内には隼人はやと薩摩さつま壮士おのこ神来しんらいきょうまさにおうして、歌ゆる時四絃続き、絃黙げんもくす時こえうた
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)