活眼かつがん)” の例文
これも、秀次や池田父子のぬかりをののしったわけではなく、自分の落度として、あきらかに、敵の家康の活眼かつがんを、ほめたたえるような声だった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
横井は実学を唱う、物にいたりて知をいたすは、彼が学問の功夫くふうなりといえども、彼の彼たる所以は、「神智霊覚湧きて泉の如き」直覚的大活眼かつがんにあるなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この点については深く主人の恩を感謝すると同時にその活眼かつがんに対して敬服の意を表するに躊躇ちゅうちょしないつもりである。御三が吾輩を知らずして虐待をするのは別に腹も立たない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分でじぶんの参ったのを知らなきゃ世話あねえ……俺はいま、活眼かつがんを開いてこの斬り合いの先を見越したのだ。いいか、おれが乾雲を躍らせて貴様の胴へ打ちこんだ——と考えてみた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ここ作者の活眼かつがんと知るべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「曹丞相へのおとりなしは、かならず蒋幹が保証します。曹操にも活眼かつがんありです、何で先生を疑いましょう」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「へえ、活眼かつがんだね。どうして、睨らんどるんですか」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)