“洲本(すもと)” の例文
岩野泡鳴本名美衛(よしえ)、明治六年一月二十日淡路国(あわじのくに)洲本(すもと)に生る。享年四十八歳、大正九年五月九日病死す。爾来(じらい)墓石なきを悲み、友人相寄り此処にこの碑を建つ。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
なに、そんな気がねには及ばない、私たちは洲本(すもと)に一日二日泊まって、人形芝居の元祖である淡路浄瑠璃(じょうるり)を見物する。それから順礼のいでたちになって霊場廻りを
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
若槻と千代はあの日は洲本(すもと)の四洲園で一泊し、翌朝、小路谷の古茂江へ行くといって宿を出、三熊山の山曲へ入ってブロバリンを飲んだというようなことらしかった。
虹の橋 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
阿波藩の淡路城代稻田氏が藩から獨立しようとする逆心があると誤解し、阿波直參(ぢきさん)の士族どもが、城代並びにその家來(阿波藩から見れば、「また家來」)を洲本(すもと)の城に包圍した。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
案のごとく、洲本(すもと)の沖あたりから、それらしい船が後ろから白浪を蹴立ててくる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浪華(なにわ)の堀を出て淡路の洲本(すもと)の沖を越すころは海は凪(な)いで居た。帆は胸を落ち込ました。乗込客は酒筒など取り出した。女に口三味線を弾かせて膝の丸みを撫で乍らうとうとする年寄りもあった。
百喩経 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
洲本(すもと)松原(まつばら)中絶えて
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
それがもとで川上は淡路(あわじ)洲本(すもと)の旗亭(きてい)に呻吟(しんぎん)する身となってしまった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)