注連飾しめかざ)” の例文
それに女たちが五色の短冊たんざくをつけて、台に載せてき廻わり、最後に浜に持出して注連飾しめかざりと共に焼き、それからその火に身をあたためつつ
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すでに年暮景色くれげしきで、どこの門にも注連飾しめかざりや大きな門松が立っていたが、足利家にはそれがなかった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕等は終点で電車を下り、注連飾しめかざりの店など出来た町を雑司ぞうしの墓地へ歩いて行った。
年末の一日 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
郡役所と警察署と小学校とそれにおもだった富豪かねもちなどの注連飾しめかざりがただ目に立った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
が、そこはれいの神馬小屋しんめごやであったので、注連飾しめかざりをつけた白馬しろうまが、ふいの闖入者ちんにゅうしゃにおどろいて、ヒーンと一こえいなないたかと思うと、飛びこんできた蛾次郎の脾腹ひばらひづめでパッと蹴りかえした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)