沼宮内ぬまくない)” の例文
いわゆる、みちのくの海道と、一戸いちのえへ抜ける一戸街道の分れ道で、べつに陸中久慈から沼宮内ぬまくないに通じる山中道というのがある。
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここは、盛岡市から北へ一時間ほど乗り、沼宮内ぬまくないという小駅で降りて、更らに徒歩で一里近く山手に入った所である。
地名にも「伊保内いぼない」とか「毛馬内けまない」とか「沼宮内ぬまくない」とかのように、アイヌの言葉を残す所も少くありません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
奥州では南部の沼宮内ぬまくない、陸前の気仙けせん郡、羽後の飽海あくみ郡などの数カ所だけであって、その他は陸中の上閉伊かみへい江刺えさしの二郡、羽前の米沢よねざわ、南秋田の半島、および信州の下水内しもみのち郡において
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
沼宮内ぬまくないもつつと抜けて、一里ばかりにて足をいため、一寸余りの長さの「まめ」三個できければ、歩みにくきことこの上なけれど、休みもせず、ついに渋民しぶたみの九丁ほど手前にて水飲み飯したため
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
沼宮内ぬまくない近く来た時、私は妻に話しかけた。
水源を思ふ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)