汝等きさまら)” の例文
「仕方がないって済まされんぞ。それにこの会は何も汝等きさまら施行ほどこしをするんじゃない、収入額あがりだかは育児院へ寄附に相成るのだ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そばへ寄るな、口が臭いや、こいつらも! 汝等きさまらは、その成金なりきんに買われたな。これ、昔も同じ事があった。白雪、白雪という、この里の処女だ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
門番呆れて、「汝等きさまら何が買えるもんか。干葉ひばや豆府のからを売りやしまいし、面桶めんつう提げて残飯屋へくがい、馬鹿め。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れ、汝等きさまら、裸にしようが、骨を抜こうが、女郎めろう一人と、八千の民、たれかなえ軽重けいちょうを論ぜんやじゃ。雨乞を断行せい。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
影法師か何か知らんが、汝等きさまら三人の黒い心が、形にあらわれて、俺の邸の内外を横行しはじめた時だ。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
影法師かなにか知らんが、汝等きさまら三人の黒い心が、形にあらはれて、俺のやしきの内外を横行しはじめた時だ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「誰が汝等きさまらに遣るというもんか。」お丹真顔になりて、「だがね、みんなで頂戴いたしますというと黙ってどこかへお隠れなすったからいのだろうと思いまして……」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又、汝等きさまらとても、う云ふ事件の最後の際には、其の家の主人か、良人おっとか、えか、俺がぢや、ある手段として旅行するにきまつとる事を知つてる。きさまは知らいでも、怜悧りこうあれは知つてる。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また、汝等きさまらとても、こういう事件の最後の際には、その家の主人か、良人おっとか、えか、俺がじゃ、ある手段として旅行するにきまっとる事を知っておる。きさまは知らいでも、怜悧りこうなあれは知っておる。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)