水潦みづたまり)” の例文
昨日の雨の名殘りの水潦みづたまりが路の處々に行く人の姿々を映して居るが、空は手掌てのひら程の雲もなく美しく晴れ渡つて、透明な空氣を岩山の上の秋陽あきびがホカ/\と温めて居た。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
野原の中の黒い水潦みづたまりに何べんもみんな踏み込んだ。
秋田街道 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
また曩日いつかの樣に、今夜何處かに酒宴さかもりでもあるのかと考へて、お定はつつましやかに水潦みづたまりを避けながら、大工の家へ行つた。お八重は欣々いそ/\と迎へたが、何か四邊あたりはゞかる樣子で、そつと裏口へれて出た。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
また曩日いつかの様に、今夜何処かに酒宴でもあるのかと考へて、お定は慎しやかに水潦みづたまりけながら、大工の家へ行つた。お八重は欣々いそいそと迎へたが、何か四辺あたりを憚る様子で、そつと裏口へ伴れて出た。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
水潦みづたまり
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)