残物ひけもの)” の例文
とて彼方あっちいって茶屋で飲食のみくいしようと云うことは叶わぬから、例の通り前の晩に魚の残物ひけものを買て来て、そのほか、氷豆腐だの野葉物やさいものだの買調かいととのえて、朝早くから起きて怱々そうそうに拵えて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
桃山から帰て火事場に働く塾中兎角とかく貧生ひんせいが多いので料理茶屋にいって旨い魚をうことはむずかしい。夜になると天神橋か天満橋の橋詰はしづめ魚市さかないちが立つ。マアわば魚の残物ひけもののようなものでが安い。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)