“柴薪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たきぎ25.0%
さいしん25.0%
しばたきぎ25.0%
しばまき25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その驢馬ろばくらを置き、愛するひとりごイサクを乗せ、神のおのれに示したまへる山のふもとにいたり、イサクを驢馬よりおろし、すなはち燔祭の柴薪たきぎをイサクに背負はせ、われはその手に火と刀をりて
(新字新仮名) / 太宰治(著)
夏の暑さのために縁の外の葦竹あしだけ、冬の嵐気らんきを防ぐために壁の外に積む柴薪さいしん——人間が最少限の経費で営み得られる便利で実質的な快適生活を老年の秋成はこまごまと考へて居た。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「これから攻めに参る夷陵の南には、狭くけわしい道があります。附近の谷へ五百ほどの兵を伏せ、柴薪しばたきぎを積んで道をさえぎり置けば、きっと後でものをいうと思いますが」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてそんな幻想と思い出に取憑とりつかれながら、彼の夢は、その晩江州浅井の山里の、誰が家の小屋とも知れぬ戸もないひさしの下に、柴薪しばまきや漬物桶などの間に挟まって、深々と睡り落ちていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)