暴露ばれ)” の例文
万一われわれの恋が暴露ばれかけて、彼女に疑いがかかるような場合には、私は直ちに自殺をしようという意気込でした。
麻酔剤 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
諾来よしきた、と頼まれて、紙入を隠してやったのが暴露ばれたんで、掏摸の同類だ、とか何とか云って、旦那方の交際つきええが面倒臭くなったから、引払ひッぱらって駈落だとね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが旦那に暴露ばれようものなら妾達の素性も自然と知れ、三尺高い木の上で首を曝さなけりゃならないんだよ
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同時に主将たる筆者は胸がドキドキとした。インチキが暴露ばれたまま成功したのだから……。
ビール会社征伐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とうとう暴露ばれそうになったので、兇状持ちの仙太郎は、事面倒と、徳松殺しの一件を吐き出すと同時に、山猫のように猛りかかって腰の手拭いで難なく撰十の頸を締め上げたのだった。
春次が引き立てるので、銀子もどうせ暴露ばれついでだと思い
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ウイ、だからわっしが出入っちゃ、どんな事で暴露ばれようも知れねえというはらだ。こっちあ台所でえどこまでだから、ちっとも気がつかなかったが、先方さきじゃ奥から見懸けたもんだね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
礼之進が早くも二度のかけを働いたのに、少なからず機先を制せられたのと——かてて加えてお蔦の一件が暴露ばれたために、先生がいたく感情を損ねられて、わざとにもそうされるか
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)