晴季はるすえ)” の例文
北国から帰るとすぐ、また菊亭晴季はるすえはかって、豊臣とよとみという新姓氏しんせいしをたて、朝廷にうて、以後、豊臣秀吉と称することになった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとり菊亭晴季はるすえだけではない。遠く、藤原氏の凋落期ちょうらくきを境として、武門独裁の世となってからは、朝臣の策士はみな似たり寄ったりな者だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菊亭晴季はるすえは、武門の棟梁とうりょうと取引するにしても、なかなか人を喰ったところがあり、いたずらに、安目は売らず、充分、朝廷のためにも、私腹のためにも、利を収めて
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ガサガサとをわけて、男がさきに立ったので、三つの網代笠あじろがさ晴季はるすえ目礼もくれいをしてついていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういって晴季はるすえは、千鳥棚ちどりだな硯筥すずりばこ懐紙かいしを取りよせ、さらさらと文言もんごんをしたためだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
晴季はるすえ微笑びしょうをふくんで、波紋はもんのなかにしずんでいくうおのかげを見ながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)