易占うらない)” の例文
さて日本も嘉永かえいの五年あたりは、まだ世の中がひらけませぬから、神信心かみしんじんるとか、易占うらないに見て貰うとかいうような人が多かったものでござります。
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そういう小家こいえの曲り角の汚れた板目はめには売薬と易占うらないの広告にまじって至るところ女工募集の貼紙はりがみが目についた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「親切はありがてえが、おめえの易占うらないなら勘弁してもらおう、分る探しも分らなくなってしまう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なまはんか易占うらないなぞをやるせいか、悪党らしくもなく馬春堂、きょうはばかに弱気であります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼のつくえの上には、いまたてた易占うらない算木さんぎが、吉か凶か、卦面けめん変爻へんこうを示していた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)